さとこ
2019, 女性, 心理的虐待
道のりのタイトル
気づくまで時間が掛かったけれど、行動できて良かったです
家庭状況や脱出の背景
代々続く農家に生まれ、将来は跡を継ぐものとして育てられてきました。 他の選択肢は許してもらえず、将来の夢を持つことさえできませんでした。 幼少期から時間があれば農家の手伝いをしていて、友達と遊ぶ時間もあまり持つことができませんでした。 大人になってからもそのまま家業に就職する形となり、家族以外と関わることはほとんどありませんでした。 婿をとらなければ家が続かないので、婿をとるように言われ続けました。 父がとにかく厳しい人で、母も私も父の言いなりになるしかありませんでした。 40歳を目前にして、自分の人生を振り返り、何のための人生だったのだろうかと絶望しました。
逃げ出すまでの道のり
役所の相談窓口
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話は聞いてもらえたが具体的な解決策は見つけられず
自分が家を出ると農家がつぶれてしまうので、なかなか家を出る勇気が出ませんでした。 しかし、自分のメンタルがどうにも保てなくなってしまい、外部の相談センターに助けを求めました。 最初は電話で相談したのですが、話は聞いてもらえたものの、具体的な解決策は見つけることができませんでした。
役所の相談窓口
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周りの助けを求めていいことに気づく
その後数年経過し、次は別の機関に相談しました。 そこでは対面で相談に乗ってもらい、同じような境遇で悩んでいる方の例を聞くことができました。 客観的に話を聞くことで、自分の悩みも自分だけで抱えなくても、周りに相談して助けを求めても良いのだと思えるようになっていきました。 相談を重ねるうちに、自分の父から言われ続けてきたこと、母と共に強いられてきたことが心理的虐待に該当することが理解できました。
一人暮らし
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自分の人生をようやくスタート
自分の置かれている状況が理解できたところで、自分の将来を考えてどう行動するべきか考えるようになりました。 自分だけだとどうしてもマイナスな方向に話を進めてしまうので、相談員さんに話を聞いてもらい、具体的な選択肢を複数提示していただきながら、自分の場合はどの選択肢を選んだらいいのか少しずつ話を進めていきました。 まずは父のもとから離れることで、家族の在り方、自分の人生とも向き合えるようになると思いました。 父には居場所を知らせず、まずは家から出てみることにしました。 無職で収入ゼロになるので、当面の生活費を貯金したり、新しい住居をこっそり探しました。 1年以上かかりましたが、やっと準備が整い、母には感謝の気持ちと自分の思いを伝えて家を出ました。 母は家から出ませんでしたが、父には自分は何も知らなかったことにして、私の旅立ちを応援してくれました。 家を離れて父は相当ショックを受けたようですが、体の動く限りは自分で農業を続けることにしたようです。 私も、父が体が動かなくなり、口も罵詈雑言を浴びせられなくなるような状況になるようであれば、父がいなくなった後の家業は今の仕事と兼業で続けていく選択肢も残しています。 とにかく父と離れることができてストレスが激減しましたし、年齢的にはもう中年ではありますが、自分の人生をようやくスタートすることができる、という気持ちに満ち溢れています。