バーバーパパ
2004, 男性, 身体的虐待・心理的虐待
道のりのタイトル
一家団欒、という絵空事
家庭状況や脱出の背景
幼少の頃から父親の暴力が酷く、機嫌を損ねると、夜中に布団を引き剥がされて殴る蹴るをされた。特に長女だった姉に対する虐待が酷く、真冬に裸にされてベランダが突き落とされるなど、殺されかける事が何度もあった。母親は情緒が不安定で頼りになったことは1度もなく、結局姉は十五歳で家出をし、水商売などで生計を立てるようになり、自分は十八で家を出て一人暮らしを始めた。
逃げ出すまでの道のり
宗教
#全て
#心身
宗教勧誘の人が家に来る間は機嫌がよかった
当時は1990年代だったが、団地に住んでおり、そこで子供が虐待をされるのは日常風景だった。毎日体をアザだらけにして登校する子もいれば、スーパーイイダで売ってる五百円のシャツを一年中着続けてる女の子もいた。学校の先生からも理不尽な体罰をたくさんうけたし、それ以外に誰か助けてくれるひとがいるなんて知りもしなかった。唯一、宗教団体の人が頻繁に家に来てくれ、最初は親に門前払いされていたが、なんども来るうちに仲が良くなったようで、家に入ってくる時があった。その人たちがいるとき親の機嫌が良く、その時間は本当に安心できる時間だった。
離れた大学に進学
#高校生
#一人暮らし
#準備
大学の特待生試験に合格
姉は中学くらいから不良連中との付き合いが増え、友達の家を転々とし、あまり家によりつかなくなった。次第に地元で暴走族のリーダーをやっていた全身刺青の男と付き合うようになり、それからは高校もドロップアウトし、完全に夜の世界の住人になっていった。姉と付き合ってる男が実家に電話をかけてきて、父が明らかに怯えていたのを今でも覚えてる。姉は裏社会の人と上手くネットワークを作り自分をまもったのだと思う。自分は高校まではおとなしく堪え、大学学費を免除される特待生試験に合格した。卒業するとすぐに引っ越しをして一人暮らしをはじめた。バイト代は安く仕送りなんてなく生活は苦しかったが、一人になれた解放感はなにものにもかえがたかった。そこから親との連絡も一切とらなくなった。
一人暮らし
#大学生
#成人
#一人暮らし
#準備
最後に大喧嘩して家を出た
高校を卒業するまではなるべく大人しくしていようと思っていたが、自分が家をでるまでに、父親と大喧嘩したことがあった。父親が「うちの子供はおれに対する感謝や敬意が少しもない」と言い出して耳を疑った。何故姉や自分に今まであんな虐待をやり続けたかと聞くと、父の答えは「俺はそんなことは一切やってない。全部お前たちの被害妄想だ」だった。まだ十八だった自分はこれで完全にぶちギレてしまい、近所から通報される勢いの殴り合いの喧嘩を親とした。昔より年を取った父親はもはや自分より力も弱く、恐れなど微塵も感じられないくらいに年を取りすぎていた。とにかく胸くそが悪く、最悪な気分だった。それかれ一月ほど何も言葉を親と介さずに、自分は引っ越しをして家をでた。